那珂・久慈地区里親会会員さんの体験

那珂久慈地区里親会の会員さんが、地域FMで里親の話をお話ししました。
皆さんに聞いてもらいたいので、音声を掲載します。下には、文字で起こしたものを載せましたので、音声とともにご利用ください。

家族になろうよ

家族になろうよ(テキスト版)音声とともにお使いください。

始まりました。「家族になろうよ」のお時間です。
担当の根本雅一です。よろしくお願いいたします。

この番組は里親里子について、私、根本雅一が、まだまだ短い経験ではありますが二人の姉妹の里子と実際に暮らし、感じたこと泣いたこと笑ったことをお伝えしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

はい、今回は番組のタイトル「家族になろうよ」と同じテーマになります。
「家族になろうよ」の後半最終回をお送りいたします。

幸せになることが

里子の姉が高校を卒業し、3月の末に就職のために我が家を出て、職場の寮に住み職場に通う生活が4月から始まりました。里子の妹がいるせいか、遠く離れた町からまだ慣れぬ運転で妹に会いに来てくれました。
実子も3月に大学を卒業し、4月から東京で社会人として働いています。

実子は22年間育て社会に旅立ちました。
里子は、我が家にいたのはたったの1年と半年。
実子と里子、一緒にいた時間はあまりにも違いすぎますし、今後の里子との関係もどうなるかわかりません。

しかし、実子に対しても里子に対しても同じ思いを持っています。
元気に生活しているか、仕事はうまくいっているか、もし嫌だったならば自分を犠牲にしなくとも、辛いならば我慢しなくとも、無理をせずに自分らしく生きてくれと同じ思いです。

里子の姉が我が家を出て行って2か月半が過ぎたある日、妻が久々に食卓に花を飾りました。
数日後、私が庭の手入れをしていると妻が花壇の雑草を抜き花を植えました。
最近の妻の動きを見ていて感じたのは、里子の養育で一番大切なのは、里子に幸せになってもらいたいということ、実子でも難しい子育て、それも思春期から預かった里子ならばなおさらです。
良かれと思うことを口酸っぱく言うのは、里子に幸せになってもらいたいからこそでした。
今までの直接的な考えから間接な考えになりました。
もし、僕が、僕たち夫婦が幸せを感じるような生き方をすれば、里子も幸せを感じながら生きてくれると思ったのです。

学校に出かける時、玄関を開けると庭の花壇には花が咲いている、部活で日が暮れて帰ってきたら家の明かりが付いていること、それもできだけ多くの明かりで子どもを出迎えること、花が飾られたテーブルで食事をとる、好き嫌いはあるかもしれませんが、たまにはBGM が流れているのも良いかもしれません。
これは無意識で結果論ですが、里親になろうと思う前のことで、わが家を建てるときの話ですが、部屋数が減ってしまうデメリットはあったのですが、うちの家は吹き抜けになっている部分があります。のびのびとした雰囲気があり、子どもの成長にもいい影響を与えているかもしれません。
このように環境を整え、自分たちが幸せを感ずるようにすることが間接的に無意識的に子どもたちが成長することにも良い影響を与えているかもしれません。

大人の思うようにならないと、子どものことを嘆くのを切り替え、自分が幸せになることが子供も幸せになると仮定して日々を過ごしています。

下の子も高校生になりました。
進学し始めたらコロナの影響でお休み。学校と並行して学習塾にも入りましたが、こちらもお休み。だいぶ経って学校が再開され、塾も再開されました。
学校は部活見学をして、中学とは違う部活ですが今度はチーム競技だったので、それもよしと思いました。

素晴らしい人との出会い

部活もコロナの影響で短時間だったのです。それがわからず、今週から通常時間になったらば塾に間に合わないことがわかりました。
本人は、お友達は塾に行っていないから私も塾を辞めて部活をする。
僕としては、社会的養護の子の学力は重大な問題だと思っています。
社会に出て頼れるのは自分自身しかいないから、子供自身に何か力をつけさせなければいけません。
その1番目が学力です。
たまたま翌日、塾で三者面談がありました。進学アドバイザーの先生が対応してくださいました。

理系と文系どちらの科目が好き?理系ね。じゃあ、人とお話しするのと一人何か没頭するのはどちらが好き?どの辺の大学に行きたいと思っている?大学の名前じゃなく、近くの大学とか東京の大学とかもっと遠くの大学とか。卒業したら何になりたい?何をやってる時が一番楽しいかな?

子供が答えたら次の質問をし、さらに深い質問に入ってきます。
答えられなくとも待ちます。待って待って、それでも答えが出なかったら質問を変えて待ちます。

結果、昨日はもう塾には行かない辞めると言っていましたが、塾は続けるし、行きたい大学の学部、どの大学になるか、いくつかの志望校も見えてきました。
それは、やりたいこと、目標が定まったからです。
昨日と180度変わってしまった子供を見て、進学アドバイザーさんの能力の高さに驚きました。
子供は関わってくれる大人によって、こんなにも変わっていくものかと感心してしまいました。そして、自分が習得したペアレントトレーニングで大事なことをいくつか思い出しました。それは、いついつに何についてお話しするからねと、あらかじめ子供に準備を、心構えをさせておいた方が良いということを思い出しました。
塾という場所で、今の勉強を見てくれている先生ではない進学アドバイザーの先生と里親の僕とで日常と環境を全く変えることで、子供の何かが変わっていくのだと思います。
この進学アドバイザーの先生から学んだことは、子供の考えで子供の声で自分の夢を語らせること、その言葉が出るまで待つこと。大人から答えを言わないこと。子供から答えが出てこなければ、質問の内容を変えてみる。
子供が夢を持ったら、子供が目標を持ったら、生き生きし始めました。そして目が輝きだしました。それに立ち上げた私は里親冥利に尽きるかもしれません。

喜怒哀楽

最近思うことは、里子が喜怒哀楽を出せるようになってきたと思います。
子供部屋からケラケラ笑い声が聞こえてきたり、里子から頼まれた用事を私たちが忘れてしまったりすると泣いたり、怒ったり。里子は喜怒哀楽を出せるようになり、里親の家での暮らしが普通になって来たのだと思います。里親の私の方が、まだまだ普通には生活できていないのかもしれません。
この子を幸せに暮らせるようにしてあげなければと、使命感に苛まれているようです。
普通の暮らしをすることが自然ですし、親が子を思うのは当たり前。それは、里親が里子を思うのも同じです。ただただ普通の暮らしをすることが大切だと思います。

里子は高校3年を卒業すると、大学に進学するにしても就職にするにしても里親の家から巣立っていき、普通の大学生、普通の社会人になります。
ですから、今現在を普通の暮らしをすることがリハーサルになりますし、親子にはなりませんが養育里親と里子が家族になれるたった一つの方法だと思います。

親子にはにはなれないけれども家族になろうよ

私達は養育里親ですから、親子にはなれません。しかし、いつの日か、里子と私達は家族になれるかもしれません。
その日は明日かもしれませんし、里子がこの家を出て何十年も経ち私達はこの世にいなく、里子がおばあちゃんになって振り返った時、家族だったと思うかもしれません。
私は里子と家族になれる、その日が来るのを楽しみに待ちます。

「家族になろうよ第6回」最終回いかがだったでしょうか。
私がこの番組を担当させていただいたのは、一人でも多くの市民の皆様に里親里子の事を知っていただけたらとの思いでやらせていただきました。
私自身、里子をお預かりして2年しかたっておりませんし、二人の里子しか育てておりません。
もっともっと経験の多い里親さんもいらっしゃいますし、もっともっとも私より上手に市民の皆様に伝えることのできる里親さんもいらっしゃると思います。
しかし、まずは市民の皆様に里親里子の事を知っていただけるきっかけになればと思いこの番組を担当させていただきました。
最後にこの番組を放送することを快く引き受けていただきました「たかはぎFM」の皆様に心より厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。

那珂久慈地区里親会 根本雅一

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