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茨城新聞【連載:めぐりあう 県内里親の今】3

関 英子

2021年1月茨城新聞で「めぐりあう 県内里親の今」という連載が始まりました。
三回目は、水戸地区里親会の京川さんです。

写真はファミリーホームで子どもたちを養育する京川誠さん=小美玉市内
出典:茨城新聞(2021年1月19日 (火))

出会えたことは「必然」

■子どもと共に成長
 「子どもは場面場面で、先生などいろんな人が関わって育っていく。子どもの長い人生の中の10年だけであっても、その歯車の一つになれれば」
 小美玉市内でファミリーホームを運営する京川誠さん(66)は40歳を過ぎた頃、妻の和子さん(66)の古里である同市に東京から移住。市役所で里親制度のパンフレットを見て関心を持ったことを機に、1997年に里親登録した。現在は小中高生、専門学校生の計6人を養育し、忙しい毎日を過ごす。
 ファミリーホームは養育者が5~6人の子どもを預かる。一定以上の里親の経験や、2人の養育者(夫婦)と補助者1人以上が必要といった条件がある。
 京川さんは、預かる里子の人数とともに、子どもたちのために割く時間や経済的負担が増えていったことからファミリーホーム化。これまで長短合わせて12人を送り出してきた。
 それぞれ難しい環境で育ち、京川家に行き着いた子どもたち。「自分だけじゃないと思えるし、同年代の友達の関係だからこそ話せることもある」
 子どもたちの様子は十人十色だ。きょうだいで仲良く暮らした子もいれば、得意分野で成功を収めた子も。一方、自分の思い通りにならないと大声で騒ぐ子や、虚言癖のある子もいた。
 苦労は山ほどあるが、ある里子の少女に、将来についてどう考えているかを問いただし、口論になった時に投げ掛けられた言葉が脳裏に焼き付いている。「最低の里親だよ。子どもの気持ちも理解しないで、よく里親なんて言えるね」
 京川さんは「実親から愛情をもらっていないから、将来のことを考えられる環境になかった。安住の地だと思っている里親に言われたくはなかったんだろう」と少女の当時の気持ちをおもんぱかる。
 この時の経験から、里子に対して怒ることをやめ、話をよく聞いてあげることを意識するようになった。「難しさはそれぞれの子で違い、成長させてもらってる」
 少女は学校で授業妨害を繰り返すなど問題行動の多い子でもあったが、今では一児の母となり「夫と一緒に、子どもを連れて行きたい」と連絡をくれる。「里親冥利(みょうり)に尽きる」。里子の成長と、ホームを出た後も自分を慕ってくれることが喜びだ。
 京川さんは「東京から茨城に来たから里親ができた。これまでの一つ一つが今にたどり着くためのきっかけで、みんなと出会えたのは偶然ではなく必然だと思っている」と目を細める。

出典:茨城新聞(2021年1月19日 (火)記事)

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